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『2005年度春季低温工学・超電導学会』講演参加!!
2005年05月31日(月)~06月02日(水)

2005年6月1日

開催会場及び主催

会場

東京大学
所在地:〒113-8654 東京都文京区本郷7-3-1
電 話:03-5741-23201

主催

低温工学会
所在地:〒113-0033 東京都文京区本郷6-12-8
    パレ・ドール本郷
電 話:03-3818-4539 Fax:03-3818-4573

公演内容

テーマ:『サテライト冷凍機用窒素循環冷凍装置の開発』

※高エネルギー加速器研究機構(以下KEKと略す)と共同開発

1.概要

 サテライト冷凍システムは一台のヘリウム液化機で生成した液体ヘリウムを、 広範囲に分散した複数台の超伝導機器へ供給し、冷却を行う。 この冷凍システムでは液体ヘリウムの気化潜熱だけでなく、顕熱も利用して冷却することができる経済的な冷凍システムであり、産業用機器への広汎な実用化が期待できる [1]。このシステムには液体ヘリウムを分配するトランスファーラインの高性能化が必須で、トランスファーラインの80K熱シールドを採用する必要があるが、これを実現する為トランスファーラインの80K熱シールド用に液体窒素を循環させる冷凍能力100Wの小型の装置を製作した。本装置は熱交換器によって蒸発窒素ガスの顕熱を回収することで、冷凍システム全体の効率向上と液体窒素消費量の低減を図るものである。

2.窒素循環冷凍装置の製作

 本装置のコールドボックス部は高性能な小型の熱交換器と液体窒素容器(容量=55L)と、流量調節が可能な長軸のJ-T弁を断熱真空容器に収納している。熱交換器は、無酸素銅製の薄肉パイプをコイル形状に加工し、8分割された円板フィンを真空銀ローで取付け、外径φ40の薄肉ステンレスパイプの中に挿入する向流式の熱交換器である(Fig.1) [2]。装置への熱侵入をできるだけ低減する為、液体窒素槽や熱交換器の連結部などの断熱真空部はすべて薄肉のプレス成形にて製作し、アルゴン溶接で取り付けた。窒素ガス(0.6MPa)を循環圧縮する圧縮機は、1kWの空調用の小型スクロール式圧縮機を使用した。装置の全体写真をFig.2に示す。

3.性能評価試験

 性能評価試験の系統図をFig.3に示す。液体窒素循環装置はトランスファーラインにより性能試験用のクライオスタッドに接続され運転される。性能試験では液体窒素を充填後、圧縮機を起動し、流量等を安定させてからヒータにより任意の熱負荷を加え、各点における温度・圧力と液体窒素消費量を計測した。定格100W負荷の循環運転において、液体窒素消費量は1.6L/hrで、116W(性能試験装置全体の熱負荷約16Wを含む)の理論蒸発量と比べて38%軽減することができた。この実験によって得られたデータから、冷凍効率と熱交換器の効率、圧縮機ユニットの連続運転について詳細を報告する。また、実用化に向けて装置の改良および運転コストについての検討を行っていく予定である。

[1]細山 他 第62回 低温工学・超伝導学会講演概要集 p237
[2]石川 他 第69回 低温工学・超伝導学会講演概要集 p66

講演者コメント

 東京大学を会場にて行われた、2005年度春季低温工学・超電導学会において、研究成果を発表致しました。
 本研究は、(KEK)との共同開発により、サテライト冷凍システムを実現させる為、「窒素循環型冷却装置」の開発に取り組んでいます。
 性能評価試験では、熱交換率93%、装置への熱侵入は16W、という高性能な結果が得られました。定格100W負荷の循環運転において、液体窒素消費量は1.6L/hrで、116W (性能試験装置全体の熱負荷約16Wを含む) の理論蒸発量と比べて38%軽減することができました。
 弊社の学会参加は昨年に続いて3回目となり、また今回の発表は私自身、とても良い経験になりました。
今後も(KEK)の皆様と共に研究に努め、製品開発・学会発表に全力で取組んでいきたいと思います。

弊社講演者:佐久間 重光
(ガスシステムビジネスユニット 設計Gr)

[お問い合わせ先]

〒316-0035 茨城県日立市国分町3-1-17

大陽日酸東関東株式会社

ガスビジネス総括本部 システム

佐久間 重光

電話:0294-38-8354
FAX:0294-36-1756
URL:www.tnhk.co.jp

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