産業ガスには、空気から分離する酸素、窒素、アルゴン、希ガスに加え、炭酸ガス、メタン、プロパン、ブタン、ヘリウム、水素などがあります。化合物や混合物としてのガスも含め、さまざまな用途に利用されています。
お客様のニーズに合わせ、さまざまな納入荷姿に対応しています。
シリンダー
最も一般的な供給方式で、シリンダー容器(ボンベ)に圧縮したガスを充填したものです。
カードル
複数のシリンダーを連結して大容量化したものです。
ローダー・トレーラー
液容器
保冷容器に液化ガスを充填した
ものです。
ローリー・コンテナ
使用量の多いお客様向けの供給例(窒素)をご紹介します。
原料の空気を圧縮した後、不純物を除去。沸点近くの極低温まで冷却・液化し、成分の沸点差を利用して分離・回収します。
[概要]
空気中に約21%含まれる、生物に必要不可欠なガスです。
ガス状の酸素は無色・無臭ですが、液化させると淡い青色になり、磁力を有する常磁性という特殊な性質を持ちます。
空気以外にも、水や地殻に大量に含まれています。
[用途]
製鉄などの支燃用をはじめとする工業用途、病院・在宅医療向けの酸素吸入器などの医療用途、ロケットエンジンの燃料の酸化剤、紙パルプの漂白など、さまざまな分野で利用されています。
河川や下水に酸素を吹き込み、微生物の活性化を促すことで、悪臭防止・汚水処理にも効果を発揮します。
名称 | 単位 | 酸素 | |
---|---|---|---|
英文 | - | Oxygen | |
原子番号 | - | 8 | |
元素記号 | - | O | |
原子量 | g·mol-1 | 16 | |
標準密度 | g/L | 1.429 | |
融点 | ℃ | −218.4 | |
沸点 | ℃ | −182.96 | |
臨界点 | 圧力 |
MPa | 5.043 |
温度 | ℃ | −118.56 | |
融解熱 | kJ·mol-1 | 0.444 | |
蒸発熱 | kJ·mol-1 | 6.82 | |
熱容量 | J·mol-1·K-1 | 29.378 |
[概要]
空気中に約78%含まれ、常温では他の物質と反応しにくい、化学的に不活性な性質を持っています。
ガス状の窒素は無色・無臭で無害ですが、大量に充満した空間内では酸欠・窒息の危険性があるため、注意が必要です。
液体窒素は、マイナス196℃という極低温で沸騰します。
[用途]
不活性という特性を活かし、半導体製造のシールガスや動作源ガス、コンビナートや製鉄所での火災・燃焼防止、酸化防止など、さまざまな用途に利用されています。
また、自動車タイヤの充填、液体窒素による食品の冷凍など、身近なシーンでも幅広く活躍しています。
液化窒素式トンネル型フリーザー「マジックフリーズ」設置イメージ
名称 | 単位 | 窒素 | |
---|---|---|---|
英文 | - | Nigtrogen | |
原子番号 | - | 7 | |
元素記号 | - | N | |
原子量 | g·mol-1 | 14 | |
標準密度 | g/L | 1.251 | |
融点 | ℃ | −210 | |
沸点 | ℃ | −195.79 | |
臨界点 | 圧力 |
MPa | 3.3978 |
温度 | ℃ | −146.96 | |
融解熱 | kJ·mol-1 | 0.72 | |
蒸発熱 | kJ·mol-1 | 5.56 | |
熱容量 | J·mol-1·K-1 | 29.124 |
[概要]
空気中に含まれる量が少ない希ガスです。高温・高圧下においても一切の化学反応を起こさないことから、さまざまな用途に利用されています。
他の希ガスに比べると、比較的大量に製造できるため、産業用途に適しています。
[用途]
半導体の材料となる超高純度シリコン単結晶の製造や製鋼、精錬など、高温・高圧下で酸化・窒化を嫌う場合、あるいは窒素の活性抑止では不十分な場合にアルゴンが使われます。
その他にも、一般的な溶接用をはじめ、身近な例として、電球の寿命を延ばすための封入剤としても利用されています。
名称 | 単位 | アルゴン | |
---|---|---|---|
英文 | - | Argon | |
原子番号 | - | 18 | |
元素記号 | - | Ar | |
原子量 | g·mol-1 | 40 | |
標準密度 | g/L | 1.784 | |
融点 | ℃ | −189.35 | |
沸点 | ℃ | −185.85 | |
臨界点 | 圧力 |
MPa | 4.898 |
温度 | ℃ | −122.28 | |
融解熱 | kJ·mol-1 | 1.18 | |
蒸発熱 | kJ·mol-1 | 6.43 | |
熱容量 | J·mol-1·K-1 | 20.786 |
[概要]
空気中に約400ppm含まれ、産業にも暮らしにも非常に有用なガスです。通常は液体の状態で供給されます。
三重点で気体から液化せずに固体に相変化したものがドライアイスです。
[用途]
炭酸飲料でおなじみの炭酸ガスは、消火ガス、冷却用ドライアイスなど、身近なところで広く使われています。
その他にも、植物の成長促成、炭酸ガス溶接などの工業用途など、多種多様な分野で利用されます。
近年は、液化炭酸ガスからペレット状やパウダー状のドライアイスを生成し、洗浄対象物に吹き付けることで表面の汚れや薄いバリなどを容易に除去できるドライアイスブラストが注目を集めています。
名称 | 単位 | 炭酸ガス |
---|---|---|
英文 | - | carbon dioxide |
原子番号 | - | - |
分子式 | - | CO2 |
原子量 | g·mol-1 | 44 |
標準密度 | g/L | 1.977 |
融点 | ℃ | −56.6 |
沸点 | ℃ | −78.5 |
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細かい隙間の洗浄や精密品のソフト洗浄も可能です。
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[概要]
原子番号が2番で、水素についで軽い元素です。
沸点はほぼ絶対零度に近いマイナス269℃(4K)です。このヘリウムを媒体としたヘリウム冷凍機で導電体を冷却すると、電気抵抗がほとんどなくなる超電導状態になります。
[用途]
・光ファイバーや半導体・液晶製造用ウエハーの冷却
・配管などのリーク(漏れ)テスト
・鉄鋼・機械・冶金の溶接熱処理
・溶接用シールドガス
・輸送産業飛行船やバルーンの充填
・リニアモーターカーの超電導マグネット冷却
・医療MRIの超電導マグネット冷却
・海洋・エンジニアリング潜水作業
[製造工程]
ヘリウムは希ガスで、空気中に含まれる量はほんのわずかです。
天然ガスの成分は主にメタンですが、時々ヘリウムを0.5%~3%程度含む場合があります。商業ベースのヘリウム製造では、このガスを分離する方法を用いています。
現在、世界で使用されているヘリウムは、主にアメリカ、アルジェリア、ポーランド、ロシアなどで生産されたもので、生産量が最も多いのはアメリカです。
名称 | 単位 | ヘリウム | |
---|---|---|---|
英文 | - | Helium | |
原子番号 | - | 2 | |
元素記号 | - | He | |
原子量 | g·mol-1 | 4 | |
標準密度 | g/L | 0.1786 | |
融点 | ℃ | −272.20 | |
沸点 | ℃ | −268.93 | |
臨界点 | 圧力 |
MPa | 0.227 |
温度 | ℃ | −267.96 | |
融解熱 | kJ·mol-1 | 0.0138 | |
蒸発熱 | kJ·mol-1 | 0.0829 | |
熱容量 | J·mol-1·K-1 | 20.786 |
[概要]
水素は空気中では1ppm以下ですが、水、LPG、LNGなどの化合物として、地球上に多量に存在しています。
また、太陽のエネルギー源は、水素の核融合によるものです。
[用途]
・燃料
・燃料電池
・還元剤(水素)
名称 | 単位 | 水素 | LNG メタン |
LPG プロパン |
---|---|---|---|---|
原子番号 | - | 1 | - | - |
分子式 | - | H2 | CH4 | C3H8 |
原子量 | g·mol-1 | 1 | 16 | 44 |
標準密度 | g/L | 0.0899 | 0.717 | 1.887 |
沸点 | ℃ | −252.87 | −161.6 | −42.9 |
CO2排出係数 | 原油換算 | 0 | 0.72 | 0.86 |
ドライエアー60(14.7MPa)
オイルレス圧縮機とマルチステージ除湿装置、吸着フィルターにより製造される、油分を含まず、清浄度の高い、露点−60℃以下(保証値)の空気です。
圧縮空気(14.7~29.4MPa)
オイルレス圧縮機とマルチステージ除湿装置、吸着フィルターにより製造される、油分を含まない、清浄度の高い空気です。
希ガス
希ガスには、アルゴンやヘリウム以外にも、ネオン、クリプトン、キセノンなどがあり、いずれも反応性に乏しい元素です。
電球の封入ガスとしての使用が代表的ですが、キセノンは、小惑星探査機「はやぶさ」に搭載されたイオンエンジンで燃料として採用されました。
名称 | 単位 | ネオン | クリプトン | キセノン | |
---|---|---|---|---|---|
英文 | - | Neon | Krypton | Xenon | |
原子番号 | - | 10 | 36 | 54 | |
元素記号 | - | Ne | Kr | Xe | |
原子量 | g·mol-1 | 20 | 84 | 131 | |
標準密度 | g/L | 0.9002 | 3.749 | 5.894 | |
融点 | ℃ | −248.59 | −157.36 | −111.7 | |
沸点 | ℃ | −246.08 | −153.22 | −108.12 | |
臨界点 | 圧力 |
MPa | 2.76 | 5.5 | 5.841 |
温度 | ℃ | −228.75 | −63.74 | 16.62 | |
融解熱 | kJ·mol-1 | 0.335 | 1.64 | 2.27 | |
蒸発熱 | kJ·mol-1 | 1.71 | 9.08 | 12.64 | |
熱容量 | J·mol-1·K-1 | 20.786 | 20.786 | 20.786 |
六フッ化硫黄ガス(SF6)
化学的に安定した不活性・不燃性・無色・無臭の気体で、工業べースで得られるものとしては、最も実用性の高い絶縁材料です。
0.1~0.6MPaに圧縮して、GIS、ガス絶縁変圧器、GIL、ガス遮断器などの絶縁媒体や消弧媒体として、広く用いられています。
アンモニア(NH3)
水に非常によく溶け、水溶液は塩基性を示すことでよく知られています。意外と知られていないのが、空気中における引火性です。空気中のアンモニア含有量が16〜25%になると、651℃の発火点を持った爆発性ガスができます。主な用途としては、LEDや液晶、半導体、太陽電池といったエレクトロニクス分野に加え、肥料などの化学的利用が挙げられます。
使用目的に合わせて高圧ガスを安全にお使いいただくため、各種ガス関連器具を取り揃えています。
ガス器具
・圧力調整器 ・流量計 ・自動切換器
・安全弁 ・各種弁類
漏洩検知
・ガス検知器 ・酸欠防止モニタ-
・標準型酸素モニター
環境測定
・定置式排ガス測定装置
・ポ-タブル排ガスモニタ-
保安用具
・空気呼吸器 ・ガスマスク ・消火器
・緊急防災工具 ・毒ガス除害剤
Hi-BIRD
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●電子商取引で徹底した省力化を実現します。